甘い恋の誘惑
相変わらず仲のいい二人。いや…仲がいいのか分かんないけど、いつも4人になると莉子と俊は一緒に居る。
だからあたしはと言うといつも大和。まぁ、あたしがあまり話さないから特に大和ともペラペラ話すことなく時間は過ぎて行く。
だからと言ってそれが苦痛ではない。大和も一人の世界に入ってんのかボーっとしてるだけ。
こう言う時、アンだったら寄り添ってベタベタするんだろうなーとかついつい思ってしまう。
ってか、なんであたしはすぐにアンを思い浮かべるんだろう。
あの甘ったるい声を思い出すだけで気分が悪くなる。
大和が注文したジュースとお菓子が運ばれ、あたしはメロンソーダを手に取りストローを口にくわえた。
Γアユも食えよ」
不意に聞こえた声に視線を移すと大和は手に持っていたポテトを差し出した。
Γいらない」
Γつーか本当に食わねぇよな、アユは…」
そうぼやきながら大和はポテトの皿を片手に曲目の本をペラペラと捲り始めた。