甘い恋の誘惑

あまりの退屈さにあたしはまた寝てしまっていた。こーやって寝てしまった時、必ずといっていいほど莉子と俊はあたしを置き去りにして帰る。

あたしを…じゃなくて、もちろん大和もオマケでくつっついている。


って言うか、帰るんなら起こしてほしいし…


まだまだ軽快に鳴り続けているiPodの曲を消し、あたしはそれを鞄の中に突っ込んだ。


はぁ…と深くため息を吐き出し伸びをすると同時に響き渡ったメロディー音にビクッと肩が上がる。

聞こえてくるのはテーブルに置いてある大和の携帯。カラフルに光っている携帯を見つめ、隣に居る大和の身体を揺すった。


Γ…大和…携帯鳴ってる」


軽く揺すった振動に大和は、


Γ…ん、」


と声を漏らして寝返りを打つ。何回か鳴り続けていた携帯はピタッと途切れ、また静かな空間を作った。


Γまぁ、いっか…」


どうせ女だろうし。って言うのもあたしの想像の範囲だけど。

そう思うのも大和がよく女に囲まれて話している光景をよく見るからだ。


だからと言ってさっきの電話は女って言う保証も何もないんだけど…。

まぁ、数人…何十人…の登録はありえるだろう。


あぁ…だから男って嫌!!女、女って、ちょっとアンみたいに色気だす女に近づいていくし――…


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