甘い恋の誘惑

あたしとアンは一卵性の双子。


もちろんDNAは同じ。


だから、あたしはそれが嫌。 顔は全く同じで間違えられた事だって多数。

告白されたと思ったら、あたしじゃなくて妹のアンと間違えたって…


あたしと付き合ってた男はいつの間にかアンと出来ていた。



だからあたしは思うんだ。


アンなんて居なくなればいい。男なんてこの世から居なくなればいいって何回思ったのかも分からないくらい願った。


妹のアンは愛想を振りまくのが上手くて、甘ったるい声で男を自分の物にしていく。

可愛い言葉を使ったり涙を流すのだって自由自在。だからそんなアンに男達はくっついていく。


だけど、あたしはアンみたいには出来ない。小さい時はそれなりにあたしとアンは性格は全く同じだった。


服も同じでやる事も言う事もなんだって同じで“全く同じだね”“どっちがアユちゃん?どっちがアンちゃん?”って周りからよく言われてた。


その頃のあたしは今のアンと同じでいつも笑ってた。

だけど大きくなった今、笑う事さえも疲れるんだ――…


< 4 / 118 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop