甘い恋の誘惑
Γ違う、違う。その女じゃなくて彼女の事だよ!!か・の・じょ!!」
驚いた半面、笑みを漏らす莉子はやっぱし興奮気味た声で話す。
か…のじょ?
その意味の理解をするのにあたしは少しだけ、ほんの少しだけ時間が掛かった。
その“彼女”と言う存在の意味を理解しきった時、
Γ…え?」
あたしの口から小さく声が漏れていた。
Γなんかさ2年の女だって。噂ではカナリの美人らしい」
Γへー…」
さすがにこのあたしでも驚いた。驚いたけど、あたしの表情は至って普通だった。表には出していないけど内心凄く凄く驚いて、これ以上声さえも出ない状態だった。
大和があたしに“付き合わね?”って言ってから、そう数ヶ月しか経っていない。
なのに大和に彼女…
分かんなかった。何で大和が女を作ったのかが…。あたしが付き合えないって言ったから速攻、違う女を見つけたって事なんだろうか。
いや、結局は誰でも良かったんじゃないかって事か…。じゃあ、あたしに言ってきたあの告白気味た言葉は何だったんだろうか。
分かんなかった。大和の行動全てがあたしには分かんなかった。