甘い恋の誘惑

Γ凄いって?」


そう言って、あたしは疲れた身体を休めようとベッドにゴロンと寝転がって天井を見上げた。


Γ5クラス合同」


5クラス合同?その莉子が言った事がいまいちあたしには分からなかった。


Γ合同って何?」

Γ本当はさ各クラスでやるじゃん?でもさ、それじゃあ楽しくないからって皆集まるの。聞いた話だとね」

Γへー…凄いね」

Γ何その呟き。まるであたしは関係ないみたいな感じじゃん」

Γだってある意味、関係なくない?」

Γほーら、またアユはそう言う!!ダメだよ!何事にも興味を持たなくちゃ。それにさ…」


そう言って莉子はそこで言葉を止めた。最後に呟いた声が何だか寂しそうに聞こえたのは気の所為だろうか。

そして少しの沈黙の後、


Γそれにあたしアユに報告したい事があるし」


そう言った莉子の声は弾ける声でもなく哀しそうな声でもなく、至って普通だった。


Γ…報告って何?」

Γだからそれはアユが帰ってきたら話すから。アユが居ない間、色々あって話がいっぱい溜まってんだから!!たまにはあたしの話し相手にもなってよ!」


そう少しムキになって言ってきた莉子にちょっとだけ納得した。

確かに一度も帰ってないし莉子に逢いたい気持ちもあるし、何の話かしんないけど聞いてみたい気もする。


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