甘い恋の誘惑
Γ…分かった」
数分の沈黙の後、あたしは小さく呟いた。
Γ本当に!?」
速攻返ってきた莉子の言葉に、Γうん」と頷き暫く話した後、あたしは電話を切った。
切った電話と入れ替わる様にベッドにある葉書を摘んで目の前まで持って行く。
記載されている内容に目を通しクルッと表面に向けた時、黒字で書かれた実家の住所に二重線が引かれていて、その下にここのマンションの住所が赤字で書かれていた。
Γママか…」
きっとこの字はママ。あたしの勝手で出てきた事にママは何も言わなかった。だけど寂しそうな顔をしてたのは覚えてる。
あれから連絡なんてたまにしかしてないし、もう5年も会ってない。
ついでって言ったらあれだけど、ママにも顔を見せとかないとな…
手に持っていた葉書を置き、あたしはすぐにお風呂に入って眠りについた。