甘い恋の誘惑

Γあ、ユリちゃん!」


次の日、中番で入ってきたユリちゃんにあたしは速攻声を掛けた。


Γおはようございまーす」

Γおはよ。あのさ、来月の30日、日曜なんだけどあたしの変わりに入って欲しいんだけど」

Γえ、いいですけど何か特別な用事あるんですかぁ?まだまだ先じゃないですか」


そう言ってユリちゃんはニコニコ笑いながら手に持っていた鞄を棚に押し入れた。


Γまぁね」

Γ何ですか?彼氏との約束を前置きですか?」


ニコニコ笑うユリちゃんに、


Γいや、あたし居ないから」

“前に言ったよね?”


そう付け加えてあたしは軽く息を吐き出した。

店長柄であるあたしは基本的、日曜は全て出勤になっている。早番、中番、遅番とあるけれど基本的、通しが多い。


日曜の休みはほぼ他の子達がローテーションで休む。その丁度、来月の30日がユリちゃんだった。


Γで、アユ先輩、何があるんですか?」


どうやらユリちゃんはあたしが休む理由が凄く気になるらしく微笑みながら聞いてくる。


Γ高校の時の同窓会」


渋々、呟いたあたしに、


Γえー!!本当ですかぁ?なんかそう言うのって憧れますよね?」


弾けた声でユリちゃんは訳の分からない事を言う。


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