甘い恋の誘惑
Γ何で憧れるの?」
Γだってほら色んな人達が変わってるって言うしさ、しかも元彼とか来たり…」
Γいや、元彼とか居ないから。しかも居たとしても会いたくないし」
Γアユ先輩って、あっさりしてますよねぇ…」
Γはいはい。まぁ、取り敢えずそう言う事で宜しくね。さ、働くよ」
Γはーい」
ユリちゃんが接客をし始め、あたしはまたシフト帳を眺めた。日曜は取り敢えず休みとれたから、後は毎月、月曜休みのミキちゃんに変わってもらうだけ。
Γあ、ミキちゃん!」
暫く働いて遅番で12時5分前に売り場に入って来たミキちゃんにあたしはすぐに声を掛ける。
Γおはよーでーす」
Γおはよ。あのさ、来月の31日の月曜あたしの変わりに入って欲しいんだけど」
Γは?来月っすか?凄い先の事いいますねぇ…何かあるんっすか?」
またまたユリちゃん同様、ミキちゃんまでも口にした。 ミキちゃんは20歳で凄くサバサバしてる子。
そんなミキちゃんの横のテーブルでお客さんが買った服を綺麗に包むユリちゃんがクスクスと笑みを漏らした。
Γ先輩…彼氏とデートらしいです」
Γえぇっ!!まじっすか?アユさん、いつの間に男できたんっすか?」
必死で笑いをこらえているユリちゃんの隣でミキちゃんは目を丸くしてあたしを見つめる。
あまりの声の大きさとありもしない言葉の所為で思わず、あたしの左右の眉が中央に寄った。