甘い恋の誘惑

Γあのさ、何回も言うけどそんな人いないから。で、ミキちゃん入ってね」


あたしはミキちゃんの了解を得ずにシフト帳に30、31日に斜線を引いた。


Γうわっ!アユさん勝手に休みにしてるし」


あたしの隣でミキちゃんは声を上げ、商品を袋に入れたユリちゃんはクスクス笑ってお客さんの方へと向かった。


Γお願いね。また何か奢ってあげるから」

Γまじっすか?」


急に声を張り上げるミキちゃんに思わず苦笑いになる。本当、ミキちゃんといいユリちゃんといい食べ物には弱い。


Γうん」

Γラッキー。ユリにも伝えとこっと」

Γはいはい。じゃあ、あたし休憩行くから、ちゃんと売っててね」

Γ了解でーす」


売り場を離れて社員食堂に向かい、そこにある売店でカフェオレと菓子パンを買い空いている席に腰を下ろした。

休みが取れた事を莉子にメールした。して数分も経たない内に速攻、莉子から返事が来て、


《やった!!楽しみにしとく》


なんて言葉が返ってきた。



それからの日々は本当にあっと言う間だった。長く思った1ヶ月は過ぎると早いもので気付けば当日の日を迎えてた――…


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