甘い恋の誘惑

数秒見つめているあたしはハッと我に返り、


Γえ、ちょ、うっそ!!え、だ、誰の子?」


驚き半分、戸惑いの声をだしながら莉子を見つめると莉子は薄ら微笑みながら口を開いた。


Γ驚かないでね?」


そう言った莉子は照れ臭そうに小さく呟く。って言うか…“驚かないでね?”って言う以前の問題じゃない。

もう、とっくに驚いてるんだから…


ジッと見つめるあたしに、


Γ俊だよ」


そう言った莉子にまたまたビックリして言葉さえ出なかった。

ってか、いつから付き合ってたの?瞬きさえ忘れて呆然と莉子を見つめるあたしに、莉子はまたクスクスと笑いだす。


Γアーユー…」


目の前で笑った莉子が両手を左右に振る。少しの間、意識が止まってたあたしは莉子の呟きでハッとし慌てて口を開いた。


Γえ、…ってか何で言ってくれなかったの?」

Γだから報告するって言ったじゃん」

Γ報告ってその事?」

Γそうだよ?」

Γそうだよ?って何でもっと早くに言ってくれなかったの?」

Γ何でってアユへの仕返し」


そう言った莉子に思わずキョトンとしてしまった。そんなあたしを見て莉子は笑みを漏らす。


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