甘い恋の誘惑
Γ仕返しって何?」
Γ全然帰って来なかった仕返し。本当は産まれてから言うつもりだった」
そんな莉子の言葉にあっけらかんとしてしまった。
Γそ、それだけ?」
Γそれだけじゃないでしょ!!本当に本当に淋しかったんだから」
Γうん、ごめん。でも良かったね。いつ産まれるの?」
Γ後1ヶ月もない」
Γそっか。じゃあ、その時はまた帰るよ」
Γどうだろねー…。アユの事だから分かんないけどぉー」
唇を尖らせて言う莉子に、
Γ帰ります」
キッパリと言い切ったあたしに莉子は微笑み、その莉子のお腹にそっと手を置いた。
時たま動く新しい命に何だか凄いなって実感した。莉子と俊は本当に仲が良かった。だから2人がくっついた事にあたしまで喜びを感じた。
Γつーかアユ!凄い綺麗になったんじゃない?なんか、ちらほらそんなお言葉が飛んでるけど」
莉子はチラチラ辺りを見渡しながらそう言った。