甘い恋の誘惑

Γちょ、大和じゃーん。超、久し振りじゃん」

Γねぇ、あたしの事、覚えてる?」

Γつーか、ますますカッコよくなってんじゃん」



次々に発っしられる声に目を向けると、あの若々しかった時の頃を思い出させるかの様に一気に大和の周りに女達が食らいついた。

さすが大和。

相変わらずモテっぷりを発揮する大和に何も言えなくなったあたしは、ただただその光景をぼんやりと眺め、適当に返事を返していく大和を余所にあたしはその場から少しずつ身を引いた。


取り敢えず静かな場所で休みたかったあたしは会場を後にし、広々としたロビーのソファーに腰を下ろした。


深く座り天井を見上げるとキラキラと輝いたシャンデリアが目に入る。

あまり寝てない所為か目尻が重く感じ、あたしは軽く手で押す。


Γあーアユみっけ」


不意に聞こえた明るい声に顔を向けると、こっちに向かって微笑んで来るアンが目についた。


Γアユ久し振り」


そう言ってアンはあたしの隣に腰を下ろし言葉を続ける。


Γもーアユってば本当に帰って来ないね。ママ心配してたよ?」

Γうん」

Γどう?楽しい?一人の生活は?」

Γまぁね…」

Γ今日、帰って来るよね?ママ居てるし」

Γうん、帰るよ」

Γんじゃあ、伝えとくー」


何が言いたかったのか分からないけどアンはそれだけ言ってこの場を離れた。

アンの事は本当に大嫌いだった。だけど5年経った所為なのか、少しだけ大人になった所為なのかは知んないけど、アンを見てそれほど身体は拒否しなかった。


それは何でか分かんない。やっぱり繋がってる双子だからなんだろうか…


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