甘い恋の誘惑
Γえっ、ちょ、ちょっと先輩!!誰、誰、誰ですか?えっ、もしかして彼氏ですか?」
Γうっそ!!アユさん、やっぱ居たんですか?つか、ユリちゃん、ヤバくない?すっごいイケメン!!」
Γうん、うん。ヤバイですね。あたしのダーリンよりカッコいいし」
Γ何?何?ダメだよ、浮気は…」
訳の分からない会話で興奮するユリちゃんとミキちゃんはあたしの肩を揺らしながら問い掛ける。
揺られる所為で身体がグラグラと揺れる中、あたしはただ数メートル先で立っている大和を見てた。
何で大和がここに居るのか。どうしてここが分かったのか…。そんな事を思ったのはたった一瞬で、その経路を辿ると最終的には莉子に繋がってた。
Γごめん、アユ。ちょっとだけい?」
そう言ってくる大和にただただあたしはビックリして言葉を発しないまま呆然と立ち尽くす。
そんなあたしに、
Γ先輩!!」
Γアユさん、彼氏が待ってますよ?」
2人の声でハッと我に帰った。
Γだから彼氏じゃないってば!!」
ちょっと声のトーンを落とし、苛立ったまま声を出す。そんなあたしに、
Γじゃあ元彼ですか?」
ユリちゃんはワクワクしながらあたしの耳元で呟いた。
Γだから違うって!!もーいいから早く帰んなよ」
大和の方をチラチラ見ながらあたしはユリちゃんとミキちゃんの身体を軽く押す。
Γはーい。分かりましたよぉーだ」
Γはいはい、ではアユさん。イケメンとごゆっくり」
ユリちゃんとミキちゃんは半分面白そうに笑いながらそう言って、あたしに軽く手を振り、何故だか大和にまで会釈をした。
そんなユリちゃんとミキちゃんに何が何だかわからないまま大和は軽く会釈を交わした。