甘い恋の誘惑
Γあの時、アユを見て改めて思った。あぁ…俺ってやっぱアユじゃなきゃダメってな」
Γ……」
Γあの頃のままの応えならそれでいい。それならそれでちゃんと受け止めっから…もうアユの前には現れねぇから」
大和は沈んだ声でそう言って、それ以上大和は口を開く事はなかった。
また新しく沈黙が流れる。大和じやなくて今度はあたしが口を開く番なのに何故か口が開かなかった。
断るにしても断れない。付き合うにしても付き合えない。その微妙な位置にいるあたしはどっちの応えなのか自分にでも分からなくて――…
Γごめん。時間が欲しい」
気付けばそう言ってあたしは口を開いてた。そんなあたしに大和は、Γ分かった」とだけ告げてそれ以上、口を開く事なく大和はあたしを家まで送ってくれた。
大和と別れた後、風呂に入ってベッドに寝転んでただただ思い出すのは、さっき大和とあった出来事ばかりで、頭の中がグチャグチャになるくらい訳が分からなくなってた。
そんな頭を悩ませる中、あたしはいつの間にか眠りについていた。