On The Wind


私の恋バナといえば、小3の時。


ふざけて川に落っこちて、おぼれそうになっているところを助けられた。

名前も知らない男の子。

わかるのは、私より背が高い。という当たり前のことだけ。

助けられたあと、怖くて赤ちゃんみたく泣いている私を、
泣きやむまで優しくぎゅっと抱きしめてくれて。

やっと落ち着きを取り戻し、その人の笑顔を見て、心臓と顔に火がついた。

今はさすがに思いだせないけど、すごくイケメンだった気がする。

その後も何度かその河原を通ってみたりしたけど、その人には会えずじまい。


それが今も癖になっていることは雪乃には内緒。


絶対バカにされること確定している。


それからそんな現象にも見舞われることなく、ここまで成長した。



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