On The Wind


さすがにこれはまずいかもと思い、
とりあえずいつもバックに入っているメイクポーチを出して、簡単にマスカラとグロスを塗る。



「よし、行くぞ!綾香!」



小さなガッツポーズをした雪乃と共に、教室を出た。


いつもは固く閉ざされている中学と高校を繋ぐ通路が、
今日は全開で私たちを招く。


「秋元先輩って何組なの?」


すでに頬が緩んでる雪乃に声をかけると、そっけなく1-Bとかえってきた。


朝、担任から配られたしおりを開く。


よかった、ここからそんなに遠くない。



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