あなたがくれたクローバー
「あ!由紀!!」
由紀だと思って振り返ったら、そこには城塚甲斐がいた。
「えっ!?なんで…いんの……?」
クラスが違う城塚甲斐には、仲がいい人もいなくここにいるのが不思議だった。
「……あんた…名前は?」
「草原……美紗………」
「ふ〜ん……」
自分から聞いといて、どうでもいいといった態度をとる城塚甲斐。
「なんか用!?」
それに頭にきた私は、親子喧嘩の時みたいな口調になった。
「いや…用って程じゃないっすけど……」
「あっそ!じゃあ私帰るね!」
「っと!待った!」
由紀の鞄を持ってドアから出ようとした私の腕を城塚甲斐が掴んできた。