あなたがくれたクローバー
「助けてくれた!車ひかれそうになったの、母さんが身代わりになって助けてくれた!」
私の目に薄ら涙がたまっていく。
「俺、いなくなって初めて愛されてたって知った!で!後悔もした!」
「後悔…?」
「なんで素直にありがとうって言えなかったんだろって!」
「…………。」
「素直になれない気持ちすげーわかる!でも……」
「美紗〜!」
城塚甲斐が言い掛けた時、お母さんの声がした。
「ぜってぇ〜後悔すんぞ!?だから!ちょっと勇気出してみろ!?自分のために!!」
城塚甲斐の声が後ろからする。
「美紗大丈夫!?遅いから心配したわ!」
時計を見ると9時半を過ぎていた。