大空の唄
"作り笑い、嫌いなんだよね"
"可愛くないよ?"
静な部屋なのに頭の中に響き渡るこの台詞が鬱陶(ウットウ)しい
頑張って愛想よく作り笑いしたのに
何で、何で、初対面の
地味メガネに可愛くないなんて言われなきゃなんないわけ!?
我慢していた何かがプツリと音をたてて切れた
そして、この部屋に漂う
重たい雰囲気を作った原因があたしから放たれるオーラだと言うことに気付いたのは
「絢音ちゃん…
ご…ごめんね?
あいつ音は悪い奴じゃないんだけど…」
そんな梨華さんの言葉に振り返った時だった
「え?アハハ
全然、怒って何か、
ない、ですよ?アハハハ」
あたしを見る皆の表情が、笑顔が
明らかにひきつっている
「絢…音ちゃん…?」
でも…、
「すみません、梨華さん
さっきの地味メガネ…」
こうなってしまったら
「どこに行ったか分かりませんか?」
自分をコントロール出来ない
「あっ…えっと…多分スタッフルームだと思うけど?」
この怒りが…治まるまでは……
「分かりました…
ちょっとすみません、すぐ戻ってくるので!」