大空の唄
それまで俺らは最低限の人との
関わりを避けてきた
" 友達 "とか" 仲間 "とか
正直めんどくさいし
他人なんて信じられない
周りの奴らもそんな俺らに
近づこうとはしてこなかった
ライブの日までは…
あの日から
元々周りとの関わりがなかった俺らは
まるで芸能人扱い
特に女子の変わりようには正直驚いた
「翔くん、次はいつライブするの?」
「んー来月かな?」
元々愛想笑いとか接待が
得意だった俺は何とか対応出来たが
「陽くんかわいいー」
「……」
人見知りで特に女の子との免疫が
あまりない陽や
「空く〜ん」
「うっせー」
基本、人と接するとか愛想笑いが
嫌いで苦手だった空は
その環境になかなか馴染めなかった