大空の唄


「あんたら、騙されてるんだよ?」


左の少女が少し声を上げた


騙されてる…?


その言葉に空の顔も曇るのが分かった


「騙してない!」


ナミがすがるような目で空を見つめると


「俺はナミを信じる」


空は力強い目で3人を睨んだ


少女たちは一瞬驚いたように
目を見開くと顔を見合わせる


「ナミ…相変わらずだね、あんたは」


真ん中の少女は堪えるように
笑い始めたかと思うとぱっと顔を上げた


「悪魔みたい」


その表情込められた、深い怒りと恨み
背筋がゾッとした


「その目にあたしらも
ずっと騙され続けてきた」


騙され続けてきた!?


「どういうこと?」


間に入るように身を乗り出すと
3人の視線が俺に集まった

< 108 / 378 >

この作品をシェア

pagetop