大空の唄


蒼空と?


「たぶん、一応
仲良くしてますけど…」


けど…


何で蒼空が出てきたんだろう?


あたしは首をかしげた


「たぶん一応って何よ」


そんなあたしはお構いなしで
ケラケラ笑う梨華さん


「蒼空と仲良くしてやってよ?」


あいつ不器用だから
そう付け足す梨華さんは
顔をしかめながら微笑んだ


「はい…」


蒼空は生意気で口も悪くて意地悪だけど


根っからの悪いやつじゃない


それに蒼空たちといると
何故か落ち着くんだ


何故かは分からないけど


それにもし蒼空が空じゃなくても
蒼空たちがSONG OF SKYじゃなくても
有名じゃなくても


みんなとは仲良くなってる気がするな…


この考えに何か大きな理由が
あるような気がしたけど


思い浮かばなかったから
これ以上考えないことにした


バイトが終わりロッカールームに入ると


明日の為に今日をオフにしている
蒼空のロッカーが目に留まる


「明日楽しみだな…」


SONG OF SKYの音楽…
蒼空の歌…


そして先輩と行けること


あたしは急いで着替えを済ませると
久しぶりに真っ直ぐ家に帰った


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