大空の唄


不意に聞こえた声に顔を上げると


「君、1人?」


2人の男の人が立っていた


金髪で短髪、口と眉とにピアスをし
ちょっとロックっぽい男の人と


茶髪で少し長めの髪で
こちらもロックっぽい男の人


「ひ、1人じゃないですけど…」


「ないですけど?」


金髪の方に聞き返されて俯く


「友達とはぐれちゃって…」


自分で言って情けなくなって
小さくため息が漏れた


笑いたいなら笑ってくれ


そんな風に思っていると茶髪の方があたしの顔を除き込むように屈んだ


「俺たちが、友達のとこ
連れてってあげよっか?」


あたしはバッと顔をあげる


「本当?!」


すると2人は笑顔で同時に頷いた


あぁ…何ていい人なんだろう


あたしの中に疑いなんて
全く生まれてこなかった


ただただ2人の親切さに胸が熱くなり


勢いよく首を縦に振った


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