大空の唄
返事を曖昧にするあたしを追い詰めるように
美咲はあたしから全く目線を反らさない
まるであたしは蛇に睨まれた蛙
いつ飛び付かれても不思議じゃない
そんな状態が続いていた
その時…
〜♪
すぐ隣にある机の上の携帯がカラフルに光輝き
空の歌声が静かな部屋に響き渡った
あたしの携帯の着信音である
あたしは発信者も確認せず顔の前に手を合わせると
小さくごめんと言って携帯を手に取った
張り積めていた空気が少し緩む
助かった、と少し安心しながら
あたしは携帯を耳に近付けた
「はい?」
『今何してる?』
耳元から聞こえるその声に驚きのあまり
あたしはビクッと肩を震わせた
「先輩!?」