大空の唄
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先輩、美咲に何て言ったんだろう?


あたしは家の近くの公園のベンチに座り


風で揺れる木の葉を見ながらそんなことを考えていた


今いるのは遊具があるような公園とは違い


ペットの散歩やランニング、ウォーキングにもってこいな


広くて緑溢れる場所だった


風と共に揺れる木漏れ日を何となく見つめる


先輩と電話を終えた美咲は


『大切な用事みたいだから行ってきて

事情聴取はまた今度ね』


そうあっさり言って帰って行った


あの頑固な美咲がね…


相手が先輩だからだろうか


それとも美咲でさえ納得するような大切な用事なのか


ザーッと風の音が聞こえる


それと同時に右から声が風に乗ってきた


「待った?」



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