大空の唄
一瞬の沈黙が永遠のように感じた
まだ先輩に別れを告げてないのに
こんなこと言っちゃいけないって分かってる
でも、止まらなかった
溢れてしまったんだ"スキ"って気持ちが
あの時、すぐに先輩からの告白を受け入れなかったのも
わざわざ蒼空に先輩の告白に対する返事を相談したのも
先輩の告白を受け入れるのを躊躇ったのも
きっと、私の中で蒼空の存在が大きくなっていたから
「はぁ!?」
振り返った蒼空の顔は
何言ってんの?と言っている
「冗談でも嘘でもないよ」
「じゃあ何?」
何って…そりゃあ
「本当に決まってんじゃん」
蒼空はあたしが言ったことの
意味を分かっているのだろうか
それさえ不安になるほど
いつものポーカーフェイス
「悔しいけどあたしは蒼空が好きなの
好きになっちゃったの!!
だから先輩と別れたら…」
そんな蒼空にぶっきらぼうに吐き捨てるように
スキを繰り返した後あたしは少し俯いた
「付き合っ…」
「無理」