大空の唄
はぁ!?即答?
顔をしかめるあたしに蒼空は真顔で続ける
「そういうのめんどくさい」
今崖から突き落とされたような気分
ふ、フラれた…?
でも、あまりに軽くあっさり
言われたせいか涙は出なかった
胸が苦しむ反面、蒼空らしい
なんて納得してしまうあたしがいる
「あからさまにフラれると
正直キツいんですけど…」
「イヤ、でも無理なもんは無理だし
俺、うじうじすんの嫌いだし」
あまりに率直すぎて開いた口が塞がらない
そして再びあたしの中の悪魔が蒼空らしいと笑う
「てか送るからいい加減家に帰れ
俺明日早いからもう寝たいんだよね」
はぁ!?
ぶん殴ってやろうかと思った
でも、そんな気力さえ失ってしまった
あたしの意を決した告白より
自分の睡眠時間の心配ですか…
「はいはい」
最近思わなかったけど
やっぱり不思議なやつ…
でもそれでも憎めないのは
蒼空が好きだからか
それともそれが蒼空のもつ能力なのか…
あたしは深いため息を漏らした