大空の唄
思い出と感傷に浸っているうちに
卒業式は退場を残すのみになっていた
退場する卒業生に拍手を送る
あたしは無意識に先輩を探していた
未練があるわけではないけど
先輩を嫌いになったわけでもない
むしろ大好き…憧れって意味で…
見つけた先輩とバッチリ目が合う
あたしは気まずくなって
目を反らそうとしたけど
反らせなかった
先輩が笑って手に持った
卒業証書の入った筒を上げてくれたから…
あたしも拍手をしながら微笑んだ
先輩のばーか
あたし今、泣きそうだよ…