大空の唄
「海斗の話…していい?」
東城先輩の話…
サユリさんは遠慮がちに微笑んでいて
あたしは、"やっぱり"
そう思った
あたしはゆっくり頷く
どんな言葉も…どんな話でも受け入れよう
サユリさんは安堵の表情を浮かべた
「海斗はね、少し前まで
いろいろあって恋愛不信になってたの」
サユリさんは自分の言葉に納得するように頷くと
意外でしょう?と付け足した
いろいろ…って?
そう聞きたかったけど聞いていいか分からなくて
疑問を飲みこんだ
しかしあたしの疑問を察したようにサユリさんが続ける
「元カノが、浮気…してたの」
先輩の彼女、そして…浮気
いろんな気持ちが生まれたけど
「その人、先輩の元カノは
どんな人だったんですか?」
考える前に口がそう言っていた