大空の唄
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先輩との出会いは


確か高校1年の夏休み
とあるCDショップだった──


『あっ…有ったぁ!!』


SONG OF SKYベスト!!


不覚にも予約し忘れていた
SONG OF SKYのニューアルバム


絶対無いだろうとダメ元で来てみると


なんと…1枚だけ残っていたのだ


これは絶対あたしのために残ってたんだ


あたしはそんな自意識過剰な
妄想を膨らませながらそのアルバムを見つめる


大きく深呼吸をして頬をつねる


痛っ…夢じゃ、ない!!


それを確かめると更に口元が緩んだ


待ってて、空〜


そして…アルバムに手を伸ばした時だった


『『あっ』』


誰かの手があたしと同時に
アルバムに触れる


うそっ!?


あたしは慌てて手の主を確認する


すると手の主もこちらを同時に向いていたようで


バッチリ目が合った


『あ…あたしの方が先です』


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