大空の唄
何とか自分を奮い起たせ
少し早めに撮影するスタジオに入る
たくさんの機材と、人…
「わー本物のSONG OF SKYだ」
「キャーかっこいい」
痛い程の視線と共にそんな声が
どこからともなく飛んで来る
騒がれる雰囲気には慣れたな、最近
そんなことを考えながら
とりあえずカメラマンや照明さんと挨拶を交わす
撮影まであと5分か
もう少し時間があるな
暇つぶしに辺りを見渡す
椅子に座りメイクを直すモデル
カメラの調整をするカメラマン
光を微調整する照明さん
みんな忙しそうに何かをしている
お気楽なもんかもな、俺ら
そう思えるほどみんな忙しそうに見えた
そして、視線を翔と陽に向けようとした
その時だった…
身体が、凍ってしまったのか思った
今の…気のせいじゃ、ないよな?
気のせいであって欲しかった
でも、俺の視線の先で奇怪な笑みを浮かべるのは
確かに。
「ナミ…」