大空の唄
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「何膨れてんだよ…?

人が載ってる雑誌見て」


まるで雑誌とにらめっこでもしているような絢音


バカだろ、コイツ


あれからもう2週間近く経とうとしていた


あの日は辛うじてナミとの接触を逃れたけど



全てが終わった訳でもなかった


むしろ嫌な予感は膨らむ……


『いやーさすが"SONG OF SKY"
良い特集になりそうだよ』


良い金になりそうだの間違いじゃないか?


大口を開けて笑う編集長に
愛想笑いをしつつ内心反抗する


『ぜひこの特集には第2、第3段もと考えてるんだが

どうだい?』


やってくれるだろ?
と言わんばかりの言い方


イヤなんて言えるわけもない


俺たちに断る権利なんかないんだろう?


そういう訳でまた来週には
あのスタジオに行かなければならない


あの日分かったことはミナが
この雑誌"Rain"のモデルをしているということ。


こんなところでこんな形で
アイツと再会するなんて


思ってもみなかった


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