大空の唄
コイツは、いつも無意識に俺の心の鎖を壊そうとする
「言ったでしょう?
あたし、悔しいけど蒼空のこと好きなの!
きっとこれがヤキモチってやつだよ…」
あーやだな。そう付け足して
少し悲しそうに笑う絢音
ほら、また。
でも、もしかして…
俺は視界に映った"Rain"を見て
ナミと、ナミとの過去を思い出した
もしかしたらコイツだって
ナミやアイツらと一緒かもしれない
そう思う自分が醜い
それでも、それだけ昔の傷は大きくて
俺は、弱い。
「な、何…?どうしたの?」
気が付けば渇いた心の俺は
絢音を床に押し倒していた
「じゃあ聞くけど…
俺のドコがスキなの?」
コントロールの効かない心と身体
きっと、俺の目は最高に冷めきっている
でも、絢音は怯えるでもなく
悲しむでもなく、同情の目を向けるわけでもなく
いつものように微笑んだ