大空の唄


少し上目遣いで首は斜め45度


コイツが人に媚びるときのお決まりのポーズ


俺は返事もせず、ただ目線だけを横に反らした


「もぅ…照れちゃってぇ」


「黙れ」


冷たくつけ離したにも関わらず
ナミはクスクスと笑った


人を馬鹿にしやがって…


早く、一刻も早く帰りてぇ…


「では今後の日程の詳しい説明をします」


松田は褒められたことに気分を良くしたのか


今までとは比べ物にならないほどはっきりとした口調で話を再開した


褒めたら伸びるタイプか?


話の途中…


何度も視線を感じナミを見た


するとそのたびナミはクスッと笑う


【微笑む…】ではない


どちらかといえば【嘲笑う】


と言った方がしっくりくる


くそっ…さっきからコイツは
何を考えているんだ…


何かを企んでいるような


そんな妖しげな笑み


でも決して何なのか分からない、その何か…


それだけが分からないまま
もどかしい時は刻々と進んでいった


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