大空の唄
過去を引きずり過去に怯え過去を忘れられない
強がってたって自分が弱いことくらい重々承知だ
「本当に厄介なことになってしまったよ」
椅子に深く腰を掛け机に膝をつき、眉間にしわを寄せる社長
「お前は特にスキャンダルを取られたり、変に目立ってはいけない」
「分かってるよ」
そんなこと分かってる。
でもなぜ自分を捨てた人間のせいでこんなに狭い世界に
住まなければならないのか…
それだけは分からないし理解したくない
「まあ今回のはお前のせいじゃないからな…」
困ったように顔をしかめる社長はどこか疲労困憊しているようだった
「この話は私もがんばってなんとかしてみるから
お前はとりあえず、ひたすら身元をばれないように注意するんだ」