大空の唄

絶望の唄 -AYANE-

******************


「…ね!絢音!!」


「わぁ!」


耳が裂けてしまいそうなほどの大声に驚いて後ろを振り返ると


そこにはしかめっ面をした美咲がいた


「わぁ!じゃないよ!
本当どうしたの?
最近四六時中ぼーっとしてるよ?」


「えっ!そ…そう?

最近疲れてるからかな?」


あはは~とごまかすように笑うと
美咲は余計に顔をしかめた


「悩みがあるなら言ってよね?」


「うん!大丈夫、ありがとう」


蒼空が姿を消してから今日でちょうど1週間が過ぎた。


急に姿を消すなんて…


蒼空のバカ…


連絡が取れなくなってから2、3日はたびたび蒼空のマンションに行ってみた


でも、そこに蒼空の姿はなくて…


メールも電話も返ってこなくて…


浮かんでくるのはネガティブな考えばかりで…


今はもう、連絡することさえも怖くなってしまっていた



< 229 / 378 >

この作品をシェア

pagetop