大空の唄
「絢音ちゃん!」
「わぁ!!」
只今バイト中
突然後ろから聞こえた甲高い声に
驚いてつい大きな声を出してしまった
「梨華さん!」
そこにはにっこりとほほ笑み軽く手を挙げる莉華さん
あたしは慌ててお辞儀をする
「どーしたの?
元気ないじゃん」
覗き込まれた心配そうな顔に
本当にあたしの周りは他人の感情に敏感だと実感した
あたしは首を微かに横に振る
「大丈夫です」
大丈夫なんて思ってないくせに
なぜか心の中の私がそういわせる
「うーん
ならいいんだけどさ」
莉華さんの表情は半信半疑といった感じだった
「仕事には集中してね」
そういってウインクをする梨華さんに
あたしは精一杯うなずいた
そうだ…いつまでこうやって
落ち込んでるつもりだろう
下ばっかり見てないで
もっと前を見ないと…
そう自分を無理矢理奮い立たせる