大空の唄
「あぁ?」
またお前かそう思いながら返事だけする。
「ひどぉい!将来の嫁に対してそんな冷たい態度ってあり?」
俺の服の袖をつかみ上目使いで不自然な声を出す…
あぁ…本当にうっとうしいなんてもんじゃない。
「お前と結婚するつもりなんてない」
俺は、目線はそのままで遠くを見つめながら冷たくつぶやく
自分は拒絶されている…ということにいい加減気づいてくれ
そして、今すぐこの手を解いて
俺を、俺の心を自由にしてくれ
しかし、そんな俺の思いが届くわけもなく
「へぇ…そんなこと言うんだ」
おかしそうにそう言った悪魔は背伸びをして耳元で囁いた
「私はあなたの秘密、いつだって公表出来るんだから
そこのところお忘れなく」