大空の唄


手を引かれるがままに歩いてたどり着いたのは・・・


マンション?


見上げると屋上がとても小さく見えるほど高い高層マンション


あたしは、あたしの手を引く本人の後姿を見つめた


茶髪のストレートロングに細くて白い腕
でも意外と高い身長、花柄のワンピース


か細く見えて
あたしの手を引く力は意外と強かった


「あなた誰?」


その後ろ姿に問いかけてみるけど
答えが返ってくることはなくて


あたしは、さらに引っ張られるまま
エレベーターに乗り、ある一室へと連れて行かれた


「ねぇ!あたしに何の用?」


部屋に入り再び問いかけてみる


相手が女の子だったからか不思議と恐怖は感じなかった


少し少女の動きが止まった


「あたしの知り合い?」


そういうと同時にこちらを振り返った少女


「あやちゃん、久しぶり」


ハラリと地面に落ちる長い髪
真ん丸で綺麗な瞳にかわいらしい笑顔


見間違えるはずもない


「陽…くん?」


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