大空の唄


目の前にいたのは間違いなく陽くんで


陽くんは手を真っ直ぐ伸ばし笑顔でブイサインを作ったかと思えば


「もぅ!相変わらず鈍感で無防備なんだから!」


すぐにそう言って口をぷくーっと膨らませた


「えっ…あ…ごめん」


未だに状況を把握しきれないあたしの頭に浮かぶいくつものハテナマーク


それに拍車をかけたのは…


「ちょーっと待った!
俺を忘れちゃ困るよ」


「翔くん!?」


部屋の奥から現れた翔くんだった


えっ?
一体どういうこと?


突然女のコに手を引かれて
高層マンションに連れていかれて


振り返った女のコは陽くんで
部屋の奥から翔くんが出てきて…


「おーい!あや〜大丈夫?」


「あ、うん」


突然目の前に現れた翔くんの手のひらにハッと正気に戻った


気が付くとあたしは部屋のリビングにあるソファーに腰をかけていた


「こ、ここはどこ?」


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