大空の唄
俺の予想通り空は無口で取っ付きにくく
まだ5歳のガキのくせにニコリとも笑わなかった
施設の仲間はそんな蒼空と徐々に距離を置くようになったが
『そらくんあそぼー』
陽はそんな空の態度はお構い無しだった
そして俺も
笑わない空の瞳の奥にある何かに自分に似たものを感じていた
「自分に似たモノ?」
あぁ…あの頃はそれが何なのか分からなかったけど
それはきっと計り知れない孤独
気が付けば俺と陽と空はいつも一緒にいた
そんな僕たちが音楽と出会ったのは中学生になる手前頃