大空の唄
俺らには才能なんて欠片もなかった
我流だったからかもしれないが
あの頃の俺らの音はただの雑音でしかなかった
それでも俺らは負けず嫌いだから毎日毎日飽きもせず必死に練習したな
今あんなに器用に早弾きする空も一緒
ただあいつには才能があった
天性の作詞作曲能力が…
どこで覚えたのかは知らないが空はピアノが弾けたんだ
ピアノでメロディを作りそこに歌詞を入れる
中学生にも関わらず空はあの頃からそんな器用なことが出来て
その能力はもはやプロ並みだった
俺たちはひたすら好きなバンドのコピーをしたり
空の作った曲を弾いたりして毎日楽器に明け暮れたんだ