大空の唄



我慢していた笑いを吐き出すようにお腹を抱えて笑う梨華さん


あたしは


「何で笑うんですか!?」


と言いながら、一緒になって笑った


梨華さんは無意識なのだろうか?
確信犯なのだろうか?


もやもやしたあたしの心をいつも晴らしてくれる


どっちにしろ、それは梨華さんの持つとても素敵な
才能だということは間違いなかった


ある程度笑いを吐き出した梨華さんはまだ残る余韻に
浸りながら、思い出したようにあたしの目を見た


梨華さんの綺麗な目と目が合い
あたしはピシッと直立した


「今週の土曜日、予定ある?」


今週の土曜日?


あたしは頭の中の引き出しから今後の予定を引き出す


「土曜日はバイト以外は暇ですよ?」


すると再びニコッとほほ笑む梨華さん
今度の笑顔は意地悪な笑顔じゃなくて

嬉しそうな子供のような顔だった


< 271 / 378 >

この作品をシェア

pagetop