大空の唄


「じゃあ、その日は絢音ちゃんはバイトも休み!
その日は私とデート!ね?

あ、あたしも休むから瑛よろしく!」


梨華さんはそう言って黙々とコップを磨く瑛さんの肩をポンと叩く


えっ!?


突然のことに頭が混乱するあたし
突然話を振られて驚く瑛さん


でも、誰も梨華さんには逆らえないみたいで…


「しょうがないっすね…
その日自給50円アップっすよ?」


瑛さんはそう言っていたずらにほほ笑んだ


「分かった!自給40円アップね!」


「えっ!なんで10円下がったんすか?」


「何!?なんか文句あるの?
嫌なら自50円ダウンよ?」


「げっ!たち悪…」


「なんか言った?」


「な、なんでもないっす!
今日も梨華さん綺麗だなーって」


「当たり前でしょ!?」


あたしはそんなやり取りを微笑ましく見守った


半ば強制的に決まった梨華さんとのデート


嫌ではないし、むしろ嬉しいけど…


急にどうしたんだろう?


そんなこと考えても答えが出るわけがないので
理由については深入りもせず特に気にも留めなかった











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