大空の唄
“お兄ちゃんに聞いてほしくて”
そう言ってもらえて、どれだけ俺が嬉しかったか
「あ、ありがとう」
それはそんな言葉じゃ伝えきれないけど
それ以上の言葉にもならなかった
光を浴びて光る白いグランドピアノ
その前に座り照れながら笑う君
そして、ゆっくり流れ始めたメロディーに
全身が震えた
そのメロディーに包まれた瞬間
今まで抱えていた闇に光が差し込んだ気がした
それは誰にも入ることなどできないと思っていた、自分にも分らないほど深く暗い闇
気が付けば、目からは一筋の涙が流れていた