大空の唄
目の前には…
「絢音…」
今一番会いたくて会いたくないやつがいた
その瞳はまっすぐで、優しくて、でもどこか切なげで・・・
その瞳にとらえられた俺はもう視線をを反らせない、そう思った
湧き上がってくる様々な感情
その感情を整理出来ずにいると急に絢音の表情が歪んだ
それと同時にまっすぐだった瞳もうるうると揺れ始め
ついに大粒の涙が頬を伝って落ちて行くのが見えた
俯き肩を震わす絢音
「はっ!?
泣くなよ、バカ!」
ただでさえ色々なことで混乱してんのに・・・
何故人の顔を見た瞬間泣く?
理由が全く分からない
「だって…だってぇ~!」
絢音はそういうと顔を上げた
泣きじゃくる歪んだ顔、腫れた目
紅くなった頬と鼻、そして崩れた化粧
「ぷっ」
真剣な場面であることは重々承知だ
でも、あまりのひどさに笑いをこらえることが出来なかった