大空の唄
「わ、笑うなぁ~!」
そう言って絢音は泣きじゃくるけど
無理・・・
こんなに笑ったのはいつ振りだろうか
これも、あの音色に心が洗われたおかげなのだろうか
今の俺はいつもの嫌な作り笑いではなかった
「不細工」
笑いをこらえながら、毒を吐く
「バカバカバカバカ!!
蒼空のバぁカぁ!!」
そう叫ぶように言われて胸板を叩かれる
これは、周りから見たら俺が泣かしたことになっているのだろうか?
いや、俺が泣かしたのか?
とりあえずもろに注目を浴びるこの状況はまずいと思った俺は
鞄の中にある変装用の帽子を深くこのバカに被せ
「行くぞ」
無理矢理手を引きその場を後にした