大空の唄
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「これ4号室までね」


不思議だ…


「食器洗い」


あれも、これも、全部…


「休憩入る前に1号室に
連絡入れといて」


やっぱり、不思議だ…



「さっきから何ぼーっとしてんだよ!?気持ちわりぃ」



痛っ!!!!



ぼーっとする頭に急に降ってきた拳にハッと我に返る


「何するのよ!?」



「ぼーっとしてるやつが悪いんだろうが、気持ちわりぃんだよ、仕事に集中しろっつの」



お前がヘマしたら教育係の俺が怒られるんだからよ、などとブツブツと文句を言いながらフロントを後にする地味メガネを追いかけるようにフロントを出る



ぼーっとするなと言われても
不思議な事が有りすぎて頭がぐちゃぐちゃ何だから仕方がない



例えば、昨日の地味メガネのは優しさなのか、何なのか


……とか


地味メガネは一体何者なのか


……とか


昨日、あたしにジャンパーを掛けてくれたのは誰なのか


……とか、不思議な事が有りすぎて頭がパニック寸前



「てか!さっきから気持ちわりぃって2回も3回も言わなくて良くない?」


「あ"?聞こえてたのかよ、まだ2回しか言ってないだろ?気持ちわりぃ」


「あー!!また言った!!!」



相変わらずの低レベルな争いをしながら関係者用の部屋のソファーに地味メガネがドサッと腰を掛け


続いてあたしもソファーの前テーブルからパイプ椅子を引っ張り出しそこに腰を掛ける

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