大空の唄
「蒼空、蒼空のこと勝手に聞いちゃったからあたしの話も聞いてよ。
ずっと隠してきたけど、もう隠さないから」
もう誰にも話すことはないと思っていた
話すことが出来る相手なんていないと思っていた
私の過去の話
蒼空の目はまっすぐとあたしを捉えたまま何も話そうとはしない
そしてしばしの沈黙の後
「勝手に話せば?」
帰ってきたのはぶっきらぼうな答えだった
「ありがとう」
あたしは嬉しくて素直に微笑んだ
その言葉が蒼空の精一杯の優しさだって知っているから