大空の唄
私はあなたに出会うまで
ずっと心を捨てていた
空っぽの心でいることが楽だった
まだ幼なかったけれど、それでもその短い間に世界の、人間の醜さや弱さを知りすぎてしまった
そんな、感じだった
止まらない、負の連鎖がそこにはあった
ソレはあまりに残酷で、悲しい運命…
アタシの両親はどちらも、幼いころから虐待を受けて育ってきた
後から聞いた話だと2人はあたしが生まれたときこう言ったそうだ
「この子には、幸せに育ってほしい
自分たちが受けた辛い思いは、させたくない
私たちの力で負の連鎖を断ち切りましょう」
・・・と
だけど、それは叶わなかった
愛ではなく拳を、優しさではなく罵声を受けてきた彼らにお互いを愛することは不可能だった
たくさんの愛情を、たくさんの愛しさを
伝えたいのに伝え方がわからない
だから苦しくて、辛くて…
気が付けば彼らも加害者になっていた